印刷・エッチング済みステンレス板のレーザー切断
2026年 05月 13日

金属加工の現場では、工程の順序ひとつで「コスト」と「リスク」が劇的に変わることがあります。
今回は、お客様からご相談をいただく機会も多い「印刷・エッチング加工を施したステンレス板の切断」について、
レーザー加工屋の本音と、最適な加工順序の考え方をご紹介します。
1. 印刷・エッチング後の切断が「ハイリスク」な理由
すでに表面処理が完了している板をレーザーで切断する場合、現場では以下のような非常に神経を使う作業が発生します。
シビアな位置合わせ: すでに印刷されているデザインに対し、コンマ数ミリのズレも許されないため、原点出し(位置決め)に膨大な時間と手間がかかります。
表面保護の難しさ: 印刷面を傷つけないよう、搬入から加工完了まで細心の注意を払う必要があり、作業効率が低下します。
加工ミスが致命傷: 万が一、レーザーの不具合やプログラムのミスで切り損じた場合、すでにコストがかかっている「印刷済みの材料」を台無しにしてしまいます。
これらのリスクをカバーするためには、どうしても加工賃を高く設定せざるを得ないのが実情です。
2. レーザー屋が推奨する「切断先」のメリット
コストを抑え、確実な品質をお届けするために私たちが推奨しているのは、「先にレーザー切断を行い、その後に表面加工を行う」という順序です。
具体的には、以下の手順をご提案しています。
レーザー切断(ジョイント付き): 必要な形状に切断しますが、完全に切り離さず、数箇所に小さな「つなぎ(ジョイント)」を残した状態で納品します。
表面加工: 板としての形状を維持しているため、印刷屋さんやエッチング屋さんは、通常の板材と同じようにハンドリングが可能です。
切り離し: すべての加工が終わった後、ジョイントを外して製品を取り出します。
【ポイント】
この方法であれば、レーザー加工時の位置合わせコストが不要になり、万が一の加工ミスによるダメージも最小限(素板の代金のみ)に抑えられます。
3. 「位置合わせ」のジレンマをどう解決するか
もちろん、この方法には課題もあります。印刷屋さん側からすると、「切断済みの位置に合わせて正確にデザインを乗せるのは難しい」という意見が出るのは当然です。
結局のところ、「どちらの工程でリスクを背負うのが、トータルコストでメリットがあるか」という判断になります。
切断後: 印刷の位置合わせに手間がかかるが、材料ロス時のリスクは低い。
切断前: 印刷は楽だが、レーザー切断時のミスが許されず、加工賃が高騰する。
まとめ:最適なコストパフォーマンスのために
私たちは、お客様にとって最もメリットのある方法をご提案したいと考えています。
「印刷してから切る」か「切ってから印刷するか」。
もし、これからプロジェクトを進められるのであれば、図面段階で一度ご相談ください。
形状や数量に合わせて、最もリスクが低く、コストを抑えられる順序を一緒に検討させていただきます。
株式会社レーザーテック
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