【事例紹介】難削材SUS310S×超高密度レーザー加工の技術力
2026年 05月 12日

今回ご依頼いただいたのは、耐熱鋼の代表格である「SUS310S」の外径 Φ60.5mm、肉厚 2.8mm のパイプへの穴あけ加工です。SUS310Sは、その優れた耐熱性ゆえに「粘り」が強く、機械加工では工具の摩耗が激しい難削材の一つです。
加工スペックの概要
材質: SUS310S(耐熱ステンレス鋼)
形状: Φ60.5 × 2.8t × L200mm パイプ
穴径: φ12mm
穴数: 合計 約170個
配列: 千鳥配列(穴間の隙間:わずか2.7mm)
今回の加工における「壁」
この案件の難易度は、材質の特性以上に「穴の密度」にありました。
熱影響による歪みのリスクがわずか200mmという長さの中に170個もの穴を、隙間2.7mmという過密状態で開けていくため、レーザーによる熱がパイプ全体に蓄積しやすくなります。熱管理を誤れば、パイプ自体がバナナのように反ってしまう、あるいは断面が楕円に歪むリスクが非常に高い状態でした。
製品強度の維持 これほど穴が密集すると、残された母材の部分(ブリッジ)が非常に細くなります。加工の衝撃や熱応力で、この2.7mmの隙間が焼き切れたり、変形したりしないよう、極めて繊細な制御が求められました。
ファイバーレーザーによる最適解
当社では、最新のファイバーレーザー加工機を駆使し、以下の工夫を凝らすことで克服しました。
緻密な加工パスの設定:一点に熱を集中させないよう、加工順序(穴を開ける順番)を最適化し、パイプ全体の温度上昇を均一化しました。
極小の入熱制御:ファイバーレーザー特有の集光性の高さを活かし、必要最小限のエネルギーで瞬時に貫通させることで、母材への熱影響を最小限に抑えています。
高精度なロータリー加工:パイプを回転させながらの同期制御により、170個の千鳥配列を一点のズレもなく正確に配置しました。
完成した製品の仕上がり
仕上がった製品は、バリの発生も最小限に抑えられ、SUS310S特有の美しい金属光沢を保ったまま、整然とした千鳥配列が実現しました。2.7mmの隙間も均一に保たれ、図面通りの高い寸法精度をクリアしています。
「他社で断られた高密度な穴あけ」「歪みが心配な薄肉パイプの加工」 こうした難易度の高いご要望こそ、当社の技術の見せ所です。
「他社で断られてしまった」「難易度が高く精度が出ない」 そんな特殊な配管加工や精密穴あけについても、ぜひ一度弊社にご相談ください。
また、弊社では穴開け加工に留まらず様々なパイプ加工を行っております。以下で詳しい事例を紹介しております。ぜひ一度ご覧ください。
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