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リピート注文と材料価格の複雑な関係

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金属加工業界に携わる皆様なら痛感されていることと思いますが、ここ数年、ステンレスをはじめとする金属材料の価格高騰が続いています。

金属材料価格の推移と現状

振り返ってみると、この5年間の変動は凄まじいものでした。

  • ピーク時: 5年前と比較し、短期間で約2倍にまで跳ね上がった時期もありました。

  • 現在: 最も高騰した時期に比べれば2割ほど落ち着いてはいますが、それでも5年前の基準で見れば約1.5倍の高値で推移しています。

このような状況下で、数年前に製作した製品の「リピート注文」をいただいた際、
お客様から「同じものを作るのだから、安くなるのでは?」と期待されることがあります。




なぜリピート品は安くならないのか?

本来、リピート注文にはコストを抑えられる要素があります。

  • プログラム費の削減: 初回に作成したレーザー加工用データ(NCデータ)を再利用できるため、プログラミング工数分を差し引くことが可能です。

  • 段取りの効率化: 一度経験している加工のため、製作の勘所がわかっており、スムーズに工程へ入れます。

しかし、現実はそう単純ではありません。


1. 材料値上がり分との「相殺」

最も多いパターンが、「加工賃の値下げ分」と「材料価格の値上がり分」が相殺されるケースです。

たとえプログラム費をゼロにしたとしても、ベースとなる材料価格が1.5倍になっているため、トータルの見積額は「前回と同等」になることが多くなっています。

2. 「同じ価格」が維持できないケース

さらに、前回と同じ価格すら維持できず、値上げをお願いせざるを得ない場合があります。その代表的な理由が以下の通りです。

① そもそも「リピート前提」の初回価格設定だった場合

初回のご注文時に、将来的な継続発注を見越して「リピート価格(歩留まりや工数を限界まで削った価格)」を適用しているケースです。

この場合、最初からプログラム費などの初期費用を抑えて設定しているため、2回目以降に差し引ける「余白」が残っていません。
純粋に材料の差額分だけが上乗せされる計算になります。

2. 材料費の比率が高く、加工賃で吸収しきれない

製品コストに占める「材料代」の割合が大きい場合(例:厚板のステンレスや大判のプレートなど)、
プログラミング費用をサービスした程度では、材料の1.5倍の値上がり分を到底カバーできません。

  • 現状: 加工賃をいくら削っても、ベースとなる材料費の増分が上回り、トータルでは値上がりとなります。

3. 微細な仕様変更(寸法・形状の変更)

「前回とほぼ同じ」であっても、数ミリの寸法変更や穴位置の変更がある場合は、厳密には「リピート品」ではなく**「新規品」**扱いとなります。

  • 理由: 既存のプログラムを流用できず、再度CAD/CAMデータの作成とチェック工程が発生するため、プログラム代を改めて計上させていただくことになります。

4. 発注数量が極端に少ない

前回の注文が「10個」で、今回のリピートが「1個」という場合、どうしても単価は上がってしまいます。

  • 理由: レーザー加工機の設定(段取り)や材料の歩留まり(端材の出方)は、ある程度の数量があることで効率化されています。
    数量が減ることで、1個あたりの固定費負担が大きくなってしまいます。

5. 短納期での特急対応

「どうしても明日までに欲しい」といった超短納期のご依頼の場合です。

  • 理由: すでに組まれている加工スケジュールの調整や、急ぎでの材料手配、場合によっては残業対応が必要となるため、
    特急料金を上乗せさせていただくケースがございます。


適正価格を維持するために

私たちは、お客様のコストメリットを最大限に引き出すため、過去のデータ管理を徹底し、可能な限りムダを省く努力を続けています。

しかし、上述のような**「外部要因(材料高騰)」「条件の変化(数量・納期)」**がある場合、適正な品質を維持するために、
やむを得ず価格改定をお願いすることがございます。

「なぜこの価格になるのか?」という内訳については、いつでも透明性を持ってご説明いたします。納得のいくモノづくりを共に進めていければ幸いです。


今回のまとめ:値上がりが発生する主な要因

要因詳細
材料比率材料費の高騰分が、加工賃の削減幅を上回る。
仕様変更寸法や形状が変わり、プログラムの再作成が必要。
数量減発注個数が少なくなり、1個あたりの固定費が増大。
短納期スケジュール調整や特急対応によるコスト増。

私たちが大切にしていること

材料価格の変動は、私たちの努力だけではコントロールできない部分ではあります。
しかし、リピート品だからこそできる「品質の安定」や、過去のデータを活かした「短納期対応」など、
価格以外の面でお客様に付加価値を感じていただけるよう努めています。

「以前の価格と違うな?」と疑問に思われた際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
現在の材料相場に基づいた、誠実な見積回答をさせていただきます。


まとめ

  • 材料価格は5年前比で1.5倍の水準。

  • リピートによる工数削減分は、材料費の高騰で相殺されやすい。

  • 初回から戦略的価格を提示している場合は、リピートでも値上がりの可能性がある。

厳しい状況は続きますが、最適な加工方法をご提案することで、少しでもお客様のコストパフォーマンスに貢献してまいります。



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by tarolin. | 2026-04-10 10:00 | ステンレスレーザー | Trackback | Comments(0)