0.1mmの超薄板ステンレス切断。レーザー加工の「反り」と「コスト」の境界線
2026年 03月 09日

先日、あるお客様より**「薄板ステンレス(SUS)の切断」**についてのご相談をいただきました。

お問い合わせ内容
素材: ステンレス(SUS)
板厚: 0.1mm(超薄板)
サイズ: 幅3mm × 長さ120mm
懸念点: 「反り(そり)」を極力無くしたい
お客様は他社様にも相談されたそうですが、どこも**「レーザー加工では熱で板が反ってしまう」**という回答で、決め手に欠けていたとのことでした。
「反り、歪みなきこと」という図面の重み
図面に「反り・歪みなきこと」という注記がある場合、私たち加工屋は非常に慎重になります。特にレーザー切断や溶断は「熱」を使って金属を焼き切る加工法です。
「熱が入る=金属が膨張・収縮する」 という物理現象がある以上、どれほど最新の機械を使っても、厳密な意味で「反りゼロ」を実現するのは極めて困難です。
特に今回のような「厚み0.1mmに対し、長さ120mm」という細長い形状は、わずかな熱ストレスでも顕著に反りが発生しやすい条件が揃っています。
完璧なフラットを求める場合の「代償」
もし、コンマ数ミリの狂いも許されない「完璧なフラット」を追求する場合、以下のような追加工程が必要になります。
歪み取り加工(レベラーによる矯正)
ロータリー研磨(表面を削って平坦度を出す)
エッチング加工への工法変更(熱をかけない化学腐食)
これらの工程を加えると、加工賃は通常の数倍〜十数倍へと跳ね上がります。 ---
適正価格で見積もるための「歩み寄り」
私たちがお客様にお伝えしたいのは、**「その部品の用途において、どこまでの精度が本当に必要なのか」**という点です。
手による矯正: 0.1mmという薄さであれば、熱で反ったとしても、実は指先で軽く曲げるだけで矯正が可能なレベルであることも多いです。
組み立て時の拘束: 筐体にネジ止めしたり、溝にはめ込んだりする部品であれば、単体時の反りは問題にならないケースもあります。
「図面通り(反りゼロ)」という言葉をそのまま受け取ると、私たちは最悪のケース(高額な追加工)を想定した見積もりを出さざるを得ません。
その結果、お客様にとって「高すぎる」見積もりになってしまうのは本望ではありません。
弊社のスタンス
弊社では、単に「できます・できません」を回答するだけでなく、**「その反りは、用途として許容できるものか?」**を丁寧にお伺いするようにしています。
「完璧ではないが、この程度の反りなら安く抑えられる」「この用途なら、絶対に研磨まで入れるべき」
といった、現場目線での最適な仕様をご提案します。
薄板加工のコストと品質のバランスでお悩みの方は、ぜひ一度「使用用途」と併せてご相談ください。
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