「安さ」の代償と、ものづくりの未来。
2026年 02月 13日

先日、北関東のお客様から一本のお電話をいただきました。
以前、何度かお取引をさせていただいたことのあるお客様です。

ご相談内容は、鉄(SPHC)4.5mmのレーザー加工と曲げ加工について。
長年頼んでいた加工屋さんが廃業してしまい、困り果ててレーザーテックを思い出してくださったそうです。
「できない」と言われる理由
詳しく伺うと、非常に深い曲げ加工が必要な形状で、一般的な金型では干渉してしまい加工ができません。
特殊な金型、あるいは工夫を凝らした工程が必要になる難易度の高い仕事です。
「どこに聞いても断られてしまって……」
その言葉に応えたくて、さっそく信頼できる同業の仲間に何軒か当たってみました。
しかし、返ってくる答えはどこも同じでした。
「その深さだと専用の金型を新しく作るか、かなり複雑な工程を組まないと無理だね。
そうなると、今の価格の数倍はかかってしまうよ」
驚愕の「旧価格」
何より驚いたのは、お客様がこれまで発注されていた「お値段」でした。
昨今の材料費の高騰を考えると、正直なところ**「材料代しか出ないのではないか」**というほどの低価格。
手間のかかる特殊曲げが含まれているとは到底思えない数字です。
失礼ながら、心の中で思わずにはいられませんでした。(だから、その加工屋さんは廃業してしまったのではないか……と)
職人の技術や無理な努力に甘え、コストが見合わないまま走り続けた結果、貴重な「作り手」がまた一つ消えてしまった。
そんな切なさが胸をよぎります。
私たちができる、最善の回答
「なんとかしてあげたい」という気持ちは山々ですが、現在の適正価格とかけ離れた数字で無理にお引き受けすることは、
巡り巡ってお客様にご迷惑をかけることになります。
今回は、正直に現状をお伝えしました。
「新規で金型を作るとなると、どうしても数倍のご予算が必要になってしまいます。
ただ、全国を探せばすでにその金型を所有している工場があるはずです。
今はコストを抑えるためにも、まずはその型を持っている仲間を探すのが最善ですよ」
守るべきは「持続可能なものづくり」
安く作れるに越したことはありません。しかし、無理な価格設定は、日本の製造業の首を絞めることにも繋がります。
私たちは、加工のプロとして**「適正な技術には、適正な対価が必要である」**ということを、
もっと発信していかなければならない。そう強く感じた出来事でした。
お困りのお客様が、無事に良いパートナーと出会えることを切に願っています。
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