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納期3日、銀座の9階へ200kg超の資材を運べ! – 過去最高難易度のご相談事例

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こんにちは。私たちのもとには、日々、金属加工や資材調達に関する様々なお問い合わせが寄せられます。
その中には、思わず「これは難易度が高い…」と唸ってしまうようなご相談も少なくありません。

本日は、その中でも特に「納期」「場所」「重量」という3つのハードルが同時に押し寄せた、過去最高難易度のご相談事例をご紹介します。


ご相談内容:中華料理店の厨房リニューアル、ただし…

ご相談は、厨房の改修工事を控えたお客様からでした。

  • ご要望: 厨房の壁面をステンレス板(SUS)で一新したい。

  • 必要数: 900mm x 1800mm 程度の板が、約20枚。

これだけなら、よくお受けするご相談です。しかし、続けて伺った条件に私たちは息を呑みました。


「納期は、3日後でお願いします」

立ちはだかる「3つの壁」

この「納期3日」という条件が、他のすべての問題を一気に深刻化させました。

1. 重量200kg超 + 車上渡し

ステンレス板900x1800mmを20枚となると、総重量は優に200kgを超えます
もちろん運送会社(路線便)での配送は可能ですが、物流の基本は「車上渡し」です。
つまり、トラックの荷台から荷物を降ろすのは、お客様(荷受人)の責任と人手で行っていただく必要があります。

2. 場所が「銀座のど真ん中」

現場は、あの銀座のど真ん中。日中は交通量も人通りも絶えません。
トラックが停車できる場所はほぼ皆無。「車上渡し」と言われても、一体どこで200kg超の荷物を降ろすのか? という大きな問題が立ちはだかります。

3. しかも店舗は「9階」

最大の難関です。店舗はビルの9階にありました。
仮に、路上で奇跡的に荷降ろしができたとしても、そこから9階まで「誰が」「どうやって」運ぶのか?

  • エレベーターに900x1800の板が入るのか?

  • 入ったとして、200kg超の荷物を(お客様側で)どうやって運ぶのか?

納期が3日しかない中で、これらの搬入計画(搬入経路の確保、荷揚げの人員手配など)をお客様側で完了させるのは、現実的に不可能に近い状況でした。

窮余の策:私たちがご提案した「3つの選択肢」

在庫の確保や加工はギリギリ間に合うかもしれませんが、
この「搬入」という最大の課題をクリアしなければ、ご注文をお受けできません。
そこで、私たちから現実的な解決策として、3つの選択肢をご提案しました。


【提案1】梱包小分け案(納期・搬入の妥協案)

  • 内容: 900x1800の板20枚を「車上渡し」するのではなく、例えば「30kg程度」の梱包に小分けして配送します。

  • メリット: 人の手で運べる重さになるため、エレベーターでの搬入が現実的になります。

  • デメリット: 特殊な梱包代が別途発生します。また、荷物の個口数が激増するため、運賃も大幅にアップする可能性がありました。


【提案2】チャーター便+荷揚げサポート案(費用最優先案)

  • 内容: こちらで荷揚げ作業員付きの専用トラック(チャーター便)を緊急手配します。
    早朝や深夜など、銀座の交通が途絶える時間帯に搬入し、トラックからの荷下ろし、9階の店舗前までの搬入まで一括して行います。

  • メリット: お客様の手を一切煩わせず、確実に資材を9階までお届けできます。

  • デメリット: 緊急手配となるため、別途20〜30万円の高額なチャーター・荷揚げ費用が発生します。


【提案3】納期延長+近隣手配案(最も現実的な案)

  • 内容: 「納期3日」という条件を、施工主様にご相談いただき、最低でも1週間程度に延長してもらいます
    その上で、手配を(私たち遠方の業者ではなく)銀座の現場に土地勘のある「近隣の鋼材屋さん」に依頼し直す、というご提案です。

  • メリット: 近隣の業者であれば、配送の融通が利きやすく、高額な運賃やチャーター費用を抑えられます。

  • デメリット: お客様側で「納期交渉」という、最も困難な調整を行っていただく必要があります。


結末:お客様の英断

私たちの3つの提案を受け、お客様はすぐに動かれました。施工主様と緊急でご相談された結果、

「納期を1週間に延長する」

という承諾を取り付けることができたそうです。

そして、最終的に「近隣の鋼材屋さんに依頼する」というご判断をされました。
これは、私たち(当社)にとっては失注となりますが、お客様のプロジェクト全体にとっては、間違いなく「最適解」だったと確信しています。


まとめ

私たちは、ただモノを作って売るだけが仕事ではありません。
時には、今回のように「あえて受注せず、別の方法を推奨する」ことも、お客様のリスクを回避するために重要なご提案だと考えています。

「こんな短納期、無理かも…」「こんな場所、搬入できるわけがない…」

そう思われるような難題でも、解決策は必ずどこかにあります。
どんなに困難な条件でも、まずは私たちにぶつけてみてください。一緒に最善の方法を考えます。



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by tarolin. | 2025-10-24 14:25 | ステンレスレーザー | Trackback | Comments(0)