SUS304への挑戦!極小ピッチのパンチングレーザー加工
2025年 10月 17日

今回は、ステンレス鋼板(SUS304)に、パンチングメタルのような多数の穴をレーザーで加工した高難易度の事例をご紹介します。

ステンレスは熱伝導率が低く、レーザー加工時に熱がこもりやすいという特性があります。
特に、今回のように狭いピッチで多数の穴をあける加工では、その熱影響が大きな課題となりました。
加工仕様
材料: ステンレス SUS304 2B
板厚: 1.0mm
加工方法: レーザー切断
穴径: ø3mm
ピッチ: 4mm (千鳥配列)
穴数: 500個
加工の課題とポイント
今回の加工における最大の課題は、穴と穴の間の残る部分(ウェブ)がわずか1mmしかないという点でした。
ø3mmの穴を4mmピッチで千鳥配列するということは、材料が熱で膨張・収縮する際の「逃げ場」が極端に少ないことを意味します。
レーザー光によって集中的に熱が加えられると、加工部分周辺の材料は高温になり、逃げ場のない熱が歪みや反りを引き起こします。
500個もの穴を連続してあけていくため、加工が進むにつれて材料全体に熱が蓄積し、反りがどんどん大きくなることが予想されました。
加工結果
慎重に加工条件を調整しながら作業を進めましたが、熱による影響は避けられず、製品にはやはり反りが発生してしまいました。
しかし、ドロス(溶融金属の付着)の発生を抑え、最後まで切断自体は無事に行うことができ、
500個すべての穴をあけることに成功しました。


ただし、発生した反りの影響で、全体としての高い寸法精度を維持することは難しい結果となりました。
これは、いかにこの加工条件がシビアであるかを物語っています。
まとめ
このように、弊社では金型を必要とするプレス加工のパンチングとは異なり、
レーザー加工機を用いて1枚からでもパンチングメタルのような多数穴加工に対応可能です。
今回の事例のように、板厚や穴径、ピッチによっては反りや歪みが課題となる場合がありますが、
弊社では長年の経験で培ったノウハウを活かし、お客様の求める製品に近づけるよう最善を尽くします。
「こんな加工は無理かもしれない」と思われるような高難易度のレーザー加工も、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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